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2016年7月28日木曜日

自分の目で確かめること(症例紹介シリーズ:マレットフィンガー②)

どうもこんばんは

以前に投稿したブログを見返していると、ちょっと恥ずかしいと思うような記事もあります

たかだか2年ですが
この時はこんなことを考えていたんだなとか、この時は未熟だったなとか感じることがあって

なかなかおもしろいですね


その中でマレットフィンガーを紹介した記事があります
こちらをどうぞご覧ください

指の第一関節が伸びなくなる骨折または腱断裂と紹介しましたが
程度や治療によっては恒久的に指が伸びなくなってしまう可能性があるため、注意が必要な怪我です


実はこの怪我、以前自分が受傷したことがあったことと、整形外科に勤務していた際に症例を集めて経過と治療方法を検証したことがあり個人的に思い入れがあります


一般的には装具やギプスで、第一関節が伸展位(まっすぐ)になるように固定しておくのが良いとされています


しかしある日、伸展位もしくは過伸展位固定には様々なリスクがあるという内容の文献を読み
「それなら症例を集めて経過を確認してみよう!」と思い立ち
さほど大きくはない整形外科ではありましたが、症例をかき集めての治療結果をレビューしたのです


結果は…
症例数が足りなくて検証としては中途半端な結果に終わってしまったのですが(汗)

それでも古典的に良いとされている過伸展位固定はやはり様々な問題点があることや、症状によっては症状をひどくしてしまうこともあるということが確認でき


主に
・骨片の大きな症例は過伸展位を取ると反対に転位が大きくなる(ますますずれる)
・バネ式装具は固定をしなかった場合とあまり差がない(意味がない)
・手術療法は程度によって治療成績にばらつきがあるので慎重に選択すべき

と言った結論に至りました

もちろん症例数が絶対的に足りなくきちんとした研究として世に出せるものではありませんが
教科書に載っている情報のみを鵜呑みにして、これがいいんだと思い込んで物事を進めることの怖さを思い知る結果でした

その後はマレットフィンガーに対して自信を持って対応できるようになりましたし、一つ一つのことにこだわって治療に当たれるようになりました


納得するまで勉強し、自分の知識を増やし、自信に変える。

これは整形外科に勤務していた時から、独立した今でも日々の施術の中で変わらないようにしたいと心に誓っている部分です

曖昧で自分が納得できない情報を患者さんに提供するわけにはいかないですからね




これからも初心を忘れず、いろいろな場面でこのことを思い出せたらなと思います


…それでは!


おまけ


自分が骨折した時のレントゲン写真を、戒めの為にもう一度アップ。












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