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2016年7月18日月曜日

「現場では常識だよ」という現象

どうもこんにちは

当院はスポーツ障害や外傷治療に力を入れていますが
自分自身にプレー経験のない競技種目の選手も当然治療することになります


ケガや痛みの治療は元をたどって、原因を探し動作を分解していけば
どんな種目によるものであっても人間の体のことですから治療そのものに大差はありません

基本的な解剖学や整形外科学、外傷学などの知識の応用です


それでも競技ごとによって動きの特性があるため、発生しやすい障害や注意すべきポイントを勉強しておくことが必要になったり、治療をスムーズに進めるために競技独特の用語や、表現やニュアンスの違いを知っておく必要があります

どうしてもその場で知識が足りない場合には文献や参考書を参考にしますし、競技そのものを勉強するために観戦したり、芸術種目(バレエやダンス)であれば鑑賞したり、プレー経験者やコーチ、治療経験のある同業者に意見をもらうこともあります


そういった時に時折
論文や文献で最新の研究として言われていることが、実際の現場では大昔から経験的に常識として扱われている
という現象に遭遇することがあります

最近こんなニュースがありました

要約すると
トミージョン手術(肘内側の靭帯再建術)を受けた選手と受けなかった選手の比較検証の結果、速球を多く投げる投手の方が肘の靭帯を痛めている割合が高かった。ということで、変化球の方が肘の内側に優しいのではないかという結論でまとめられていましたが

投手をやっていて肘の内側を痛めたことのある人は、経験的に痛みがあるときは変化球を投げることでリリース時に腕を抜いて肘の内側にかかる負担を逃すことを知っていることが多いです
(肘内側側副靭帯にかかる牽引力は球速に依存するはずですから当然と言えば当然な気がしますが)



これはほんの一例で、実際にその競技をプレーしたことがなくて論文や参考書だけの知識で話をしていると、実は選手やその人を取り巻く指導者はとっくに経験的にそれを知っているということがあるわけです

時には治療者側があれこれ言ってもなかなか改善しなかった痛みが、競技指導者のちょっとしたアドバイスで劇的に改善したりなんてもこともあります

ドヤ顔で話していると非常に恥ずかしい思いをすることになります


治療者が競技指導に口を出すのは良いことではないと思いますが、逆にどういった指導を受けているのかは知っておかないといけないなと感じますね


おまけ

週末に中学1年生ラグビーの交流大会のメディカルサポートをしてきました

大きな怪我無く終われて一安心
ラグビーブームの影響か、どの学校も新入部員が多いようです

自称ラグビー関係者としては嬉しい限りです



それでは!




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