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2017年3月10日金曜日

足、足関節周囲の疲労骨折

どうもこんにちは

17歳女性、高校生陸上選手(短中距離)
3ヶ月に渡る足背痛(足の甲の根元あたり)
痛みがでた当初のレントゲンでは異常なかった


さてこれだけの情報で、真っ先に疑うべき怪我はなんでしょうか

答えは後ほど。




スポーツを頑張る学生で時折遭遇するのが
「疲労骨折」

「ごく小さな外力が繰り返し局所に加わる結果、骨に微小骨折様の変化をきたし最終的に完全骨折に至ることもある」と定義されます

好発年齢は17歳をピークとする論文や施設ごとの研究が多く、摂食障害、生理不順、骨粗鬆症に関連し女子に多く見られます

疲労骨折は発症(痛みが出て)から2ー4週後に初めてレントゲン上で変化が見られるようになり、さらに
一度の外力で起こる骨折と違い徐々に痛みが増強することが多い為、初期では見落とされがちです

早期診断がなされた症例は重症化してから治療を開始した症例と比較して平均で2週間スポーツへの復帰が早かったとの報告もあるため、早期に発見して治療を開始することが何より大切と言えるでしょう

骨シンチグラフィーやMRI検査であれば早期から診断が可能なため、レントゲン検査で問題なかったとしても疑わしい場合慎重に扱う必要があります。当院では提携のスポーツ専門医がいる病院を紹介するようにしています

さて冒頭で紹介した患者さんは

痛みがでた当初にレントゲン検査を受けたが異常なしと言われ、3ヶ月間放置し走っていたところ、痛みが徐々に強くなり走れなくなったため当院を受診
他院を紹介した結果、MRIにて「足舟状骨疲労骨折」が判明しました



足関節以下、足部の痛みでは特に
「内果(脛骨)」「舟状骨」「中足骨」の三つの疲労骨折は要注意と言われています

これらは重症化すると治療が長期に及ぶだけでなく、なかなか骨折がくっつかず手術が必要になることがあるからです



学生では限られた時間と期間の中で試合に向けて練習を重ねる必要があります
そのため
できるだけ練習を休みたくない、と我慢して練習を続けた結果重症化するということが起こりがちです


大切なのはまず
「疑うこと」

レントゲンで異常がなかったから
走れるから

などを理由にして見逃したり


我慢して続けた結果、本当に大切な試合に出られなくなるなんていうことがない様にしなくてはいけません

治療者側の責任ではありますが。


どこかが痛いなと思ったら、放置せずに必ず専門家の元を受診しましょう

…それでは!



















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