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2016年3月31日木曜日

膝の水は注射で抜く必要があるか?

どうもこんにちは


先日の記事で膝の水についてお話しましたが
患者さんに「膝に水が溜まってますね」とお話すると

ほとんどの方が「注射で抜かなきゃダメですか?」とか
「抜くとクセになるって本当ですか?」聞かれます




私の答えは
「状況によります!」です

当たり前ですね。


ではその根拠についてお話ししましょう



まず、膝の水の正体は関節内に起こった炎症による腫れです

腫れていると関節液の粘稠度が通常よりも低くなってしまうため、本来の役目を果たすことができなくなってしまうと先日の記事でお話しました

では注射で水を抜いてもらうとはどういうことでしょうか


腫れているとその腫れが関節の中から周りの筋肉や神経を圧迫するため2次的な痛みを引き起こします

その2次的な痛みを抑えるために、文字通り関節に注射針を刺して関節の中の粘稠度の低くなった関節液を抜きとることで、内側から圧迫されるような痛みや周囲を締め付けるような感覚を軽減することが可能です




じっとしていてもズキズキするほどの痛みであれば、注射で抜くことでかなり日常生活は楽になるでしょう

先日私が膝を怪我をした時(前十字靭帯断裂ほか)は、膝関節の中がかなり腫れてしまっていてかなりの締め付け感と圧迫感がありましたが

注射器で腫れを抜いてもらったところそれらはかなり楽になり、少しスムーズに曲げ伸ばしができるようにもなりました


しかし大切なのはここからです

注射で水を抜いたところで肝心の炎症を起こしている原因を取り去ってくれたわけではありません

先ほどの私の例で言えば、注射で腫れが収まっても断裂した靱帯がくっついたわけではありません

なので、楽になったと思って時期を置かずにたくさん動いてしまえば再び腫れが出現して水が溜まってしまうのです


注射で水を抜くとクセになると噂されれる原因はここですね。



水を抜いたからクセになって再び溜まる

というわけわけではなく

原因がきちんと解決していないから

抜いてもまた溜まる

ということです。

実際に膝に水が溜まった方を見ていて、これは抜いた方がいいだろうな
という方もいますし

逆にこれは抜く必要ないだろうなという方もいます

それでも患者さんによっては、注射だけは絶対にしたくない!
というひともいれば、少しでも痛みが取れるなら注射してもらう!

というひともいます

どちらも間違いではないと思います

どちらにしても

なんらかの原因で膝に水が溜まってしまったら、まずその原因を特定して対処するのが第一

ただし、腫れていることで起こる2次的な痛み(圧迫感や締め付け感、じってしていても痛いなど)をとにかく少しでも和らげたい場合は注射で水を抜くのも一つの選択肢。

という感じで患者さんに説明しています


そもそも膝の中に溜まった水は炎症を起こしている原因にきちんと対処してあげればほとんどが時間の経過とともに自然と吸収されて軽減していくので、保存的な治療でも十分対処できます

それは例えば、日常生活で徐々に起こった関節の損傷でも、スポーツによる怪我でも、使い過ぎによる炎症でも同じことです

何度も言いますが
原因を特定してキチンと対処することがなにより大切です

もちろん

注射で関節の中の水を抜くことには、腫れによる2次的な痛みを抑えるだけでない他のメリットもあります

たとえば
抜いた水の色調や濁り具合などを確認して炎症を起こしている原因を特定するヒントにできたり、水を抜いた代わりに痛み止めや炎症止めの薬剤や、関節液の代わりを務めてくれる成分を注入することもできます


ですので、すべてが接骨院での保存的な施術で解決するとは思いません
患者さんのパーソナリティに合わせた最善の方法を選択すること、患者さんが納得いくまでキチンと説明することが私のポリシーです




膝だけでなく、身体の痛みでお困りの方は是非一度当院にご相談いただけたら幸いです









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