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2014年12月18日木曜日

ダブルクラッシュシンドローム

こんにちは

今日は少し難しい話をします

表題の
「ダブルクラッシュシンドローム」ご存知ですか?

double lesion neuropathy 二重神経障害 重複神経障害
などとも呼ばれますが

この言葉意外と知られていませんし、インターネットで検索してもあまりいい結果にヒットしません



いったいどういうものなのかというと

同一軸索に二つ以上の圧迫があると、近位の圧迫がそれ以遠の神経軸索の神経易損性を惹起するもの

です


簡単に言うと、一本の神経が2か所以上で圧迫されると、軽い圧迫でも簡単に神経が痛んで症状が出てしまうよ

という事です

本来神経というのは少しくらいの圧迫や刺激では痛みやしびれを起こしません
神経にもある程度ゆとりがあるのです

それが2箇所以上の圧迫によって遊びがなくなり、本来だったら症状を出さない弱い刺激でも簡単に神経が痛むようになってしまうんですね


上肢の神経の例を挙げれば

頚椎症と肘部管症候群とか
肘部管症候群とGuyon管症候群といった組み合わせになります


治療者側の問題ではありますが

例えば患者さんが手の痺れを訴えたとします

理学検査を行ったところJacksonテストと肘屈曲テストの両方が陽性だった場合
二重神経障害を知らないと、さもすると詐病を疑ってしまう可能性があります

さらに、どこで神経が痛んでいるのかをきちんと調べて、痛んでいる箇所両方に治療を行わないとなかなか症状が改善しません


(手術する場合も同様にどちらを先に行うか、両方やるべきかなどが問題になるようです)


患者さんが知っていてもあまり意味はない情報かもしれませんが

治療者側としては
手や脚の神経症状がなかなか改善しない場合
「二重神経障害」という病態の存在を知らなければ対処できないこともあるでしょうからきちんと勉強しておかないといけませんね





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