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2019年10月16日水曜日

骨髄提供した話③(手術からその後編)

どうもこんにちは

前回までに事前検査までの流れを書きました
過去記事はこちら
骨髄提供した話①
骨髄提供した話②

今回は手術から術後の体調について書かせていただきます

骨髄採取というと腰の骨に穴を開けて太い注射器で吸い取るイメージがある方が多いかと思いますが、現在日本骨髄バンクでは患者さんの状態や採取病院の施設状況によって従来の骨髄採取とは異なる「末梢血幹細胞提供」という方法が取られることもあるそうです

通常のヒトの骨髄細胞(血液を作る細胞)は文字通り骨の中にしかほとんど存在しませんが、血液中にもわずかに末梢血幹細胞という血液を作る細胞が存在しており「顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)」という物を注射することで血液中に末梢血幹細胞を増やすことができます

その増えた末梢血幹細胞を取り出し患者に移植するのが末梢血幹細胞提供となります

この場合は全身麻酔や骨に穴を開ける手術が必要ない為ドナーの体の負担は少なくて済むそうですが、G-CSFの注射から入院の必要がある為通常の手術よりも少し長く入院しなければいけません
一長一短ですね


今回私は通常の骨髄提供でした
従来の骨髄提供の場合
手術の前日に入院し、退院は手術の2日後となり合計で四日間の入院になります

入院当日に最後の血液検査と手術当日のタイムスケジュールについての詳しい説明がある
以外は特別やることはなく基本暇で、食事は普通通り取ることができますが夜12時以降は固形物の摂取は禁止、当日の朝6時以降は水も飲んではいけませんことになっています



当日の朝
うっかり水を飲みそうになりましたが

朝9時の手術室入室までに検温と血液のチェックがあったくらいで特にやることはなく、ここも基本暇。
所定の時間に麻酔医の先生とナーズが病室まで迎えに来てくれて歩いて手術室に向かいます
当日は誰も病室には来なかったので見送りもなく、しかし非常に穏やかな気持ちで手術室に入ることができました

手術は全身麻酔で行われますが
仰向けで手術台に寝かされ全身麻酔の処置
本当にあっという間に意識がなくなり
そこからうつ伏せの状態に体位変換され、腰骨の両側の腰骨にボールペンほどの注射針で穴をあけそこから骨髄液を吸い出します

皮膚には左右一箇所ずつの穴しか開けませんが、皮膚を少しずつずらしながら何度か骨に穴を開ける為実際骨には左右数個ずつ穴が開いた状態になります

患者さんやドナーの体格などに応じて採取量が規定されており500〜1500ccほどを採取したあと事前に採取してあった自己血を輸血し、減った分の血液量を幾分か補填して手術は終了になります

手術時間はおよそ2時間で、手術室で全身麻酔を覚めさせる処置を受けた後病室に戻ります
手術室でドクターやナースの皆さんと話をした記憶がありますがその後すぐにまた眠ってしまい、病室で気が付いたのはお昼の12時ごろだったと思います

何となく夢うつつで手術室の中でドクターに色々と話しかけた気もするのですが、夢だったのかもしれません
全身麻酔というのはこういう感じなんでしょうか?
何だか不思議な感覚でした



病室に戻ってからは眠ったり起きたりを繰り返しながらベッドで過ごし、夕方の5時ごろに尿道のカテーテルを抜いてもらったのちにベッドから起きることを許可してもらえます
(ここだけの話この尿道カテーテルだけが怖かったんですが案外大した事なかったです、術後の尿道の痛みもさほど残りませんでした。ちなみにカテーテルの処置は担当の男性ドクターがしてくれました)


これから手術を受ける予定のある方に伝えておきたいのですが、もしも術後にお世話をしてくれる人がいない場合は必ず病室の冷蔵庫に飲み物と少しの食べ物を用意しておきましょう
手術直後は病室から出ることができない為飲み物等を買うことができません

自分の場合まさか誰も来てくれないとは思っていなかったので目が覚めてから口にできるものがなく、申し訳なかったのですが担当ナースの方に自動販売機まで水を買いに行ってもらうハメになってしまいました…


術部の痛みはぎっくり腰程度の腰の痛みと傷口のピリピリした感じ程度でそこまで辛くなく、起き上がる際にふらつきを感じる程度ですぐに病室内のトイレにも行くことができる程度でした
(それでもやはり自由に動き回ったりという気分にはなりませんでした)

術部からの出血がなぜがしばらく止まらずベッドが血だらけになっていましたが、それ以外特に大きな問題もなく、夕食から食事を取ることができ、その後は頂いた差し入れを食べたりテレビを見たり映画を見たりして過ごしました



そこから術後二日間はゆっくり過ごしたという感じです

全身麻酔自体が初めてだったので、術後の身体の気だるさが果たして骨髄採取に伴う貧血によるものなのかそれとも全身麻酔の影響なのか自分でもよくわかりませんが、
体調そのものが万全になり身体を動かそうという気になれたのは術後3週ほど経ってからだったと記憶しています
採取部の痛みも添えくらい経った頃にはほとんど気にならなくなっていました


それでも
私の場合は退院の翌日(手術から3日後)から仕事を再開できる程度には回復しました

ただ個人的には正直言って少しきつかったです
やはり仕事をお休み出来る人は術後出来るだけ長く休んだ方がいいのかなと思います

かと言って全く仕事ができないほどの辛さではありません
頑張ればなんとかなります!(笑


退院時に傷口の消毒用セットと抗生物質、痛み止めのお薬をもらい
あとは退院約1ヶ月後に最後の術後検診があり、そこで全ての日程が終了です
そこまではコーディネーターさんから定期的に体調の確認の電話が入りますが、軽い痛み以外はすぐに通常の生活でした



余談ですが大事な話。
名古屋市には名古屋市内在住で骨髄バンクドナーとなって骨髄提供をした人に助成金が支払われる制度があるので、その申請手続きをする必要があります

金額は1日あたり2万円、術前検診と入院合わせて最大7日分の14万円が受け取れます

退院時にバンクから証明書がもらえるので、市のHPからダウンロードできる申請用紙とともに市役所に提出、1ヶ月ほどで審査が終わり振込の依頼をすると、さらにその1ヶ月後くらいに振り込まれます

なので術後2ヶ月ほどで受け取れることになります

他の自治体でも骨髄バンクドナーの助成制度は広がってきているようなので、もしも今骨髄バンクに登録しようか悩んでいる方は調べてみるといいかもしれません



本当に終わってみればあっという間です

とにかく私の骨髄が元気に活躍して、提供先の患者さんを癒してくれることを祈るばかりです



ダラダラと時系列だけ並べた文章で申し訳ありませんが
こんな体験談を見て少しでも骨髄バンクに登録しようかなと思ってくれる人が増えるといいなと思っています



次回記事で
骨髄提供に対する気持ちの部分をまとめて書きたいと思います

なので次回「まとめ編」に続きます

もう少しお付き合いいただけたら幸いです



それでは!













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